2014年2月21日金曜日

コメント

奇妙なことに、
よつんばいで歩き「ワンワン」と吠える女にリアリティーを感じました。
 「きっとこの人たちは何処かにいる」と感じた物語は違和感なく、
何の抵抗もなく心にはいってきてました。
そして、ひんやりとした緊張感はラストカットまで途絶えることなく続きました。

奇妙なことに、
これほど凄く、すばらしい映画を作る万田監督の長編作品は、

オリンピックのように間を開けて作られている。  このことは些か残念です。
昔の人は 「オリンピックは参加することに意義がある」と優しい感じの言葉
を残していますが、参加できなかった者にとっては残酷な響きです。

 『イヌミチ』に出演していないという現実は、

モスクワオリンピックの山下や瀬古と自分をダブらせるという
瞬間を経験させてくれました。

 どうか、この傑作を 「六日で撮った」と吹聴しないでください。

 困る人たちがいるので。


仲村トオル  俳優『UNLOVED』『接吻』


ネコになりたいと思った事があるがイヌになりたいと思った事は無い
”飼育”と言う檻の中に何処か不自由さを感じていたから しかし”そこ(縛り)”にこそ本当の自由があるのかも知れないと 万田監督や脚本伊藤理絵さんに教えられた
ワン!!

斎藤工 俳優  『抱きしめたい』『ヌイグルマーZ』



微弱だけれど、確かに存在する、現代的で切実な衝動を扱った映画。
家族、友達、同僚、何でもいいけれど、そのような関係もいわばフィクションであることに気付かされる。
イヌに学ぶ新しい関係。
しかし、それすらもフィクションであるとしたら…
ニンゲンの不可解さをすくい取り、決してみくびらない手触りがヒリヒリと心地いい。
映画美学校の生徒たちのコラボレーションがこんなにも高いレベルで実現したことを素直に喜びたい。
松井 周  劇団『サンプル』主宰/劇作家/演出家/俳優


わたしは、イヌと呼ばれてることが、誰よりも多いのです。
なんせ本名にイヌ(戌)の文字があるからで、馬鹿にされることがあります。

しかしイヌミチを観たら、イヌでもいいじゃないかと思いました。
缶ビールを飲んで、床にばらまいた柿の種をイヌのように食べてみるのも一興だと。

響子はいろいろうっちゃってイヌになりましたが、
わたしの場合はイヌイの最期のイを捨てればいいのです。

でもポチって呼ばれるのは、ちょっと嫌です。

戌井昭人(作家/鉄割アルバトロスケット)




人間を人間らしく見せているフォルムが、あっさりと犬になる。

そのメタモルフォーゼの瞬間にゾッとさせられました。

俳優たちがみんないいので、名前だけでも覚えて帰って欲しい。ワン。

深田 晃司 映画監督『ほとりの朔子』『歓待』




『私が愛してやまない万田監督が犬の映画を撮られたという。
   え?犬ではなく犬になった女の人の映画?
   エロい、怖い、そしてかなしくてなんだかおかしい。全然意味がわからない。けど、、、
  めっちゃいいものを観せてもらった。さっそく映画好きな友達にlineしなくては。』

映画、大変面白く拝見させていただきました。
とても非日常な男女の関係、、。

一見すると狂気をはらんだ映画ですが、実はそのような要素はまるでなく、いたって真面目な青春映画のように感じました。

自分探しをして、いわゆる暗いトンネルから抜け出す、、という話は多々ありますが、このような楽しい設定を描きだしてくれた脚本家さんのセンスに脱帽です。

そして出演者の方達の、それぞれの役の『演技の温度』がとてもリアルで同じ演技者としてたくさんの刺激を受けました。

本当にいいものを見せていただきました(笑)
たくさんの人に宣伝しますね。

森口瑤子 女優  『鍵泥棒のメソッド』『UNLOVED』


 ヒロインの変身、
そのきっかけはちょっとした遊びなのかもしれない。
が、その遊びに本気でつきあったこの映画のスタッフ・キャストたちは、
見知ったはずの風景を異様なルックに変容させてしまった。

 
ラストに映る街を目にして、
僕は後戻りのきかない映画という遊びの恐ろしさを突きつけられてしまった。

古澤 健 映画監督『ルームメイト』『今日、恋をはじめます』


自意識は進化しない。ただ散歩をつづけるだけなのだ。
ほんとうの自分やあたらしい自分なんて、さがさなくていい。

過去もなければ未来もない。
生まれたての啓示が、いまファンファーレのように鳴り響く。

相田冬二 ノベライザー『はなればなれに』『息もできない』


「実習作品」とか「役者が無名」とか、
そういうことでこの映画を敬遠しようものなら、あなたは大分損してる。


人と人が出会い、新たな関係が築かれ、やがて言語が生まれる。


この映画の男女が獲得した奇妙な合言葉は・・・


「ワン!」。


バカバカしくて、グッとくる。この映画、すっげー好き!

森岡龍 俳優・映画監督『あまちゃん』『ニュータウンの青春』


ー束の間の戯れと言うには それはあまりにもハイリスクでー

主人公の響子は、はじめ自分の意志で物事を決断しているようなのだが、
途中、人生を左右する肝心のところでは受動的、ただ結果を受け入れているにすぎないのである。

それをさも「自分が選び取った道」であるかのようにして
能動的に生きていこうとする姿に女性の図太さを感じ、同性でありながら私はひどく困惑した。

その困惑を是非とも劇場で味わっていただきたい。

宮田亜紀  女優『先生を流産させる会』



万田邦敏監督の新作『イヌミチ』試写。
この揺るぎないヘンタイ感はなんなのだろう…。

映画が始まり、急な階段を上る女が現れれば、ああ万田監督の罠にはまったとゾワッと理解する快感。
いとも自然に非現実的な世界に連れて行かれる。

魚みたいな目の男、華麗な四つん這いを見せる女の運動能力にも瞠目。

大嶺洋子 リトルモア編集者


最近いろいろありまして、わたしもイヌになりたいと思いました

アクチュール編集長 川村夕祈子



本作のコンセプトの肝要は「人間が人間のままでイヌになる」というところにある。
そういうことになるとはほんのついさっきまで想像したこともなかった女が、ある瞬間からそうした事態に突入する。

コインの回転を巡る夢のようなこの瞬間はまさに至福の演出。

上島春彦 映画評論家


万田邦敏は、つねに居場所がなく、自分の欲動が本当のところどのような形をとっているかを知らずに苛立っている女性を主人公としてきた。

『イヌミチ』で永山由里恵演じる女性は、まるでトポロジーの遊戯でもするかのようにスルリと犬に変身することで、自分の危機を乗り切る。彼女は悪霊から解放されるのだ。

四方田犬彦(映像論・比較文化)

おかし味の彼方に浮上するうっすらとした悲しさ。
選 び取られた映画らしい 映画の道が、一見、奇妙だけれどよく見ると繋が れていた犬の自分を解き放つ人の普遍の 物語を語る正しい作法として清々しく輝いている。
川口敦子(映画評論家/セルクル・ルージュ3/12掲載)


本作で女を飼う不穏な男を演じた矢野昌幸は、2人の関係性を“友情”と表する。

かような若さが、張りつめた万田ワールドに青嵐を起こす!

石村加奈(映画ライター)



コインが回り始めれば、ボクたち観るものも、もう万田マジックの虜。
あとは、ボクらも、物語の奇矯さにへたな疑問を差し挟むことなく、
「イヌ」のように従順に、万田マジックのなすがままにされればよい。
それにしても、万田邦敏は、「英語(『UNLOVED』)」から「漢字(『接吻』)」、
そして「カタカナ(『イヌミチ』)」を経て、どこに行こうとしているのだろうか。
小柳帝(ライター)


これが出来たら究極のリセット!

佐々木瑠郁(映画宣伝、28歳)



永山さんのヒロインの気持ち、なんだかとても心にしみました。
もういろいろ選んだり、決めたりするのは面倒くさいという思いは
、
多くの人が感じているところだと思います。
そこからどう自由になるか、
犬になってみるという設定が、拝見する前は、不思議な感じがした
のですが、
実際に映画を見てみると、とても自然に感じられて。

恩田泰子 読売新聞 文化部